疲れがたまると臭くなる?疲労臭の正体と対策法

「疲労臭」という言葉を聞いたことはありますか?その名のとおり、疲れが原因で発生する体臭です。疲労臭は誰にでも起こり得ます。

休んでも疲れがとれない。ストレスがたまっている。よく眠れない。気が晴れない。

これらに心当たりがあって、なおかつ「最近どうも服が臭う…」「なんとなく体臭が以前と違う…」そんな不安がよぎったら疲労臭が疑われます。
では疲労臭とはどんな時に臭うのでしょう?そしてどんな臭いがするのでしょう?防ぐにはどうしたらいいのでしょう?順に見ていきましょう。

疲労臭の原因はこれ!臭いを発生させる物質の数々

加齢臭の原因はノネナール。ミドル脂臭の原因はジアセチル。そしてワキガ臭の原因はアポクリン腺から出る汗とそれを分解するワキガ菌。

このように特定の臭いにはそれぞれ特定の臭い成分や原因菌が存在します。
疲労臭の原因は有害な不要物です。疲れがたまれば体内には老廃物や毒素がたまります。それらは体内で処理しきれずに、汗や皮脂などの分泌物に混じって皮膚表面から拡散します。これが疲労臭の正体です。

つまり汗の臭いやワキガ臭は皮膚表面で発生しますが、疲労臭は体の中からにじみ出る臭いなのです。

ではどんな成分がにじみ出てくるのでしょうか?たとえば次のようなものです。

アンモニア

体内で糖質やたんぱく質が代謝される時に発生します。なんらかの事情で体内に余ると尿臭に似た刺激臭を発生させます。

インドール

トリプトファンというアミノ酸が腸内の悪玉菌に代謝されて生まれます。おならの臭いや口臭の原因で、人の嗅覚がとても敏感に察知するタイプの悪臭です。

スカトール

同じくトリプトファンから生成されます。語源は「skato」、ずばり「便」を意味するギリシャ語です。人の鼻が感知できる臭気の最低ライン(検知閾値と言います)は、インドールの0003に対しスカトールでは0.0000056。ごくごく微量で人に感知され不快感を呼ぶ臭いです。

硫化水素

おならの臭いの正体です。「卵の腐ったような」という表現がよく使われます。強い毒性があります。

…なんだか読むだけで気が滅入ってきませんか。自分の体から尿臭や便臭が漂うなんて最悪です。これは是が非でも手を打たなければなりません。

そのためにはまず体内で上記のような毒素を発生させないこと、そして発生してしまった毒素をすみやかに排出することです。その方法を知るために、次は疲労臭の発生過程を見てみましょう。

なぜ疲労臭は発生するの?その原因とメカニズム

「疲労臭と言うからには疲れたら臭うのかな…?」。漠然と想像はできても、精神的な疲れ、肉体的な疲れなど、疲れにも色々ありますね。では臭いとむすびつく疲れとはどんなものでしょう。

 ストレスによる疲労 ~自律神経の乱れが疲労臭を生む~

強い緊張やプレッシャーにさらされると自律神経のバランスがくずれます。交感神経の働きが亢進して血管が収縮し、血流がとどこおったり体温が下がったりして代謝が落ちます。結果、代謝しきれなかった毒素が体内に蓄積します。
また、ストレスは白血球の中の「顆粒球」という免疫細胞を増加させます。顆粒球は本来、異物を攻撃する存在。

けれども交感神経が優位に立った状態が長く続くと、顆粒球は武器となる活性酸素をむやみに作るようになり、増えすぎた活性酸素は細胞膜の脂肪酸などを次々に酸化させてアルデヒドなどの臭い成分を発生させます。
さらに、自律神経が乱れると副腎皮質ホルモンやアドレナリンなど一部のホルモンの分泌量が増加します。これらのホルモンは汗や皮脂を増加させる働きをするので、その面からも体臭を強くします。つまり自律神経を狂わせるような精神的・物理的疲れが疲労臭をまねくのです。

内臓の疲労 内臓の機能低下が疲労臭を生む

たとえば疲労臭の原因の1つであるアンモニアは、体内で代謝活動の副産物として発生します。

発生したアンモニアは肝臓や腎臓で解毒され、無害な尿素やグルタミンに変換されて尿と共に排出されます。ですから通常ならアンモニアが体内に蓄積することはありません。

ところが過度の負担などで肝臓や腎臓が疲労すると、アンモニアを分解する能力が落ち、すべてを無毒化することができません。結果、残留したアンモニアは血液に乗って全身に運ばれ、汗や皮脂に混じって疲労臭を発生させます。
あるいは胃腸が弱ると消化しきれなかった食物などが腸内に残留して腐敗臭を放ったり、悪玉菌の増殖でインドールや硫化水素などの悪臭成分が発生したりします。

それらが限界量を超えてしまうと、血液に溶けこみ、汗や皮脂に混じって皮膚表面から揮発し、疲労臭となります。

つまり体内の解毒機能や消化機能の低下につながる内臓の疲れも疲労臭をまねくのです。

まとめると、疲労臭を発生させるのは「代謝機能の低下」です。必要なものを取り込み不要なものを排出するという正常な新陳代謝が、体力の低下や気力の低下、あるいは内臓の疲れでうまく機能しなくなるために、余分な毒素が発生したり、老廃物の分解・排出が阻害されたりして疲労臭が出るのです。

思い当たるストレス要因があれば軽減する工夫をしましょう。内臓機能の衰えを感じたら、まずは食生活を見直して内臓への負担を軽くしてあげましょう。では食事面では具体的にどんな対処法があるのでしょう?

疲労臭を軽減するのに効果的な成分は?迷ったらこの3つ!

まずは体に負担がかかる食材の摂取を控えましょう。肝臓に負担をかけるアルコール、あるいは腸に負担をかける動物性たんぱく質や脂質の量を極力減らし、臓器が本来の仕事に専念できる環境を整えましょう。

その上で、内臓の解毒機能を助けたり全身の疲労回復を助けたりしてくれる成分を積極的に摂りましょう。たとえば次のようなものが効きます。

  • オルニチン

アミノ酸の1種で、豊富に含む食材としてはシジミが有名です。しめじやブナピーなどのきのこ類、酒盗、チーズなどにも含まれています。オルニチンは冷凍すると量が増えますから、シジミもきのこも冷凍庫に常備して毎日気軽に使いましょう。

  • クエン酸

疲労を軽減する効果があります。また体内のエネルギー効率をアップさせ、全身の疲労回復に威力を発揮します。レモン、梅干しが有名ですが、フルーツにもたくさん含まれています。一度に大量に摂るのではなく、こまめな摂取が理想です。

  • 抗酸化作用の高い食品

疲れと臭い、両方の原因となる活性酸素の除去に有効です。ビタミンCが豊富なフルーツ類、βカロテンが豊富な緑黄色野菜、イソフラボンが豊富な大豆製品などを毎日摂りましょう。

その上で、便秘は疲労臭の大敵ですから食物繊維や発酵食品を意識的に摂取して腸内環境を整えましょう。水分を多めに摂るのも老廃物の排出をうながす上で大切なポイントです。

まとめ

対人関係、残業や激務、睡眠不足にプレッシャーなど、現代人はお疲れ要因に取り囲まれて生きています。

疲労臭が気になるようでは、心も体も相当疲れているはずです。食事に気をつけるだけではなく、趣味や娯楽の助けを借りてストレス解消に努めましょう。また、しっかり時間をかけて入浴し、睡眠の質を高めましょう。

適度な運動を取り入れるのも疲れを取るには有効です。軽い運動は体の隅々まで血流と酸素を行きわたらせて老廃物の分解と排出を促進してくれます。

事実、疲れてきたなと感じた時に少しだけ体を動かすことで、かえって疲労は回復します。これをアクティブ・レスト(積極的休息)と言います。

特にウォーキング、スクワット、踏み台昇降といったリズミカルな運動は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌をうながし、メンタルの安定にもつながって一石二鳥です。

寝ても寝ても疲れが取れないという人は、ぜひ休日のウォーキングなどを試してみるとよいですよ!